青森地方裁判所 昭和53年(行ウ)6号 判決 1979年2月13日
青森市大字油川字大浜二三九番地
原告
生駒由郎
同市本町一丁目六番五号
被告
青森税務署長 村岡景隆
右指定代理人
笠原嘉人
同
千葉嘉昭
同
大宮由雄
同
対馬淳夫
同
遠藤恒光
同
尻谷茂
同
岡本善吾
同
千葉英雄
主文
本件訴を却下する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
被告が昭和五二年六月二一日付でした昭和五〇年分所得税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を取消す。
二 請求の趣旨に関する答弁
主文と同旨。
第二当事者の主張
一 請求の原因
1 原告はその昭和五〇年分所得税につき、青森税務署職員の指示に従い、必要とされた資料を添付して確定申告し、昭和五一年三月八日、これが被告により受理された。
2 しかるに被告は昭和五二年六月二一日付で請求の趣旨記載の更正処分等をした。
3 原告は、本件にかかる土地の譲渡所得につき、同土地を買収した訴外青森土木事務所の職員から再三にわたり右譲渡については租税特別措置法三三条の適用があるとの説明を受け、同所長発行の公共事業用資産の買取等の証明書の交付を受けたものであり、原告の確定申告はいささかの瑕疵もない適法な申告である。
二 被告の主張
1 原告は、昭和五一年三月一〇日、昭和五〇年度分所得税の確定申告をし、被告は、昭和五二年六月二一日、右申告に対する更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。
2 原告は右各処分につき、同年八月二〇日、異議申立をしたが、被告は、同年一一月一九日、右申立を棄却した。
3 原告はこれに対し、同年一二月二一日、仙台国税不服審判所長に審査請求をし、同所長は、昭和五三年六月九日、原決定を一部取消す旨の裁決をし、右裁決書謄本は、同月一九日、原告に送達された。
4 原告はさらに、同年七月一六日、同所長に対し再審査請求書を提出したが、同所長は、同年八月九日、右再審査請求は不適法である旨原告に通知した。
5 原告は本件訴を同年一一月一日提起したものであるが、これは前記第3項記載の仙台国税不服審判所長の裁決が原告に送達された日から三か月を経過した後の出訴であり、不適法である。
三 被告の主張に対する認否
第1ないし第4項の事実は認める。
理由
一 原告が被告のした本件各処分に対し異議申立を経て仙台国税不服審判所長に審査請求をし、これに対する同所長の裁決書の謄本が昭和五三年六月一九日原告に送達されたことは当事者間に争いがなく、そしてこの事実と成立に争いのない乙第二号証の一とを総合すると、原告は右送達によって同日右裁決のあったことを知ったものと認められる。
他方、本訴提起の日が同年一一月一日であることは記録上明らかである。
したがって、本件訴は行政事件訴訟法一四条一、四項が規定する出訴期間を経過した後に提起されたものであることが明らかであり、また右期間不遵守が原告の責に帰すべからざる事由によることについて何ら原告の主張立証がない。
二 よって、本件訴は不適法としてこれを却下し、訴訟費用の負担につき民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 田辺康次 裁判官 吉武克洋 裁判官 池谷泉)